子供の独立と還暦・定年の時期が重なって、落ち込んでいた日々からなんとか抜け出せそうな話
春には、少し高いヒールの靴を履いて、若い頃のように満開の桜の木の下を、カッカッと歩いてショッピングに行ったりもしていましたが、グズグズと考え込んでしまう日もたくさんありました。
『60歳』『還暦』『定年』という言葉は、思った以上に自分自身に重く感じられていたようです。
落ち込むようになった原因
定年を迎えた知人たちのモチベーションの低下
定年を迎え、再雇用となった知人が数人います。
それぞれの会社のルールに従って再雇用されていますが、みんなに共通しているのは、仕事に対して以前のモチベーションが見られないということでした。
仕事内容はほぼ変わっていないようですが、淡々と65歳まで過ぎるのを待っているような状態です。
今後昇給等が見込めない状態で、モチベーションを上げろというのが無理なことはわかっています。
そういう現実を見てしまうと、定年前の自分も同じような気持ちになってしまいました。
子供の自立
子供たちが自立し、子供に合わせて回っていた自分の生活が変わってきました。
自分が頑張らなければいけないと思っていたことがなくなり、次の目標が見いだせず、自分の価値を見失ってしまいました。
ただただ毎日を生きている感じでした。。
老後の理想像を作ってしまった
以前、10連休が疑似老後体験だったという記事を書きましたが、
老後のことを考えれば考えるほど落ち込んでしまいました。
すでに老後を楽しんでいる方々のお話を見聞きし、自分の中で勝手に、生きがいを見つけないといけない・友達を作らなければいけない・目標を持たないといけない等「老後とはこうあるべき」という理想像を作り出していました。
でもそれは実現できる見込みもなく、理想とのギャップに落ち込む日々でした。
少しづつ変わってきた要因と思える事
考え方が変わるきっかけ
5月、娘と女二人旅に行った時に、連休のことについて話をしました。
連休はどうだった?
天国だった!! 夢のような毎日だった!!
えー! どこか行ったの?
どこにも行ってないよ。毎日映画とドラマ見て、ピアノ弾いてた
それで楽しかったの?
ものすごく楽しかった! ああいう日がずっと続けばいいなぁ
(……私の連休とほぼ変わらない気がするのに……)
そういえば、80年代のあのドラマなんだけど~
この後娘は、80年代のトレンディドラマについて楽しそうに語り始めました。今ちょっとはまっているそうです。
私は、毎日ボォーとテレビを見ていたり、パソコンをいじっていたことに対して、怠惰な生活をしていたという罪悪感みたいなものがありました。
娘は大好きな映画を見て、今はまっている80年代のドラマを見る。そして独学でずっと練習してきたピアノを思いっきり弾く(ずっとピアノをやりたかったのですが、習い事をさせてあげる余裕はなかったので、本人がバイトをして電子ピアノを購入し、独学で覚えました)。
傍から見たら同じような時間の使い方でも、考え方次第でこうも違うのかと…。
ずっと家に居ることに対して、後ろめたい気持ちを持たなくてもいいのではないかと思えました。
今まで誰に対しての理想の老後像を描いていたのか、老後にまで見栄を張らなくてもいいと思うようになりました。
好きな物を1個買った
通勤時に使用する夏用の靴が壊れてしまったので、近くの靴屋さんに行きました。
いつものように一番安い価格帯から選びました。
店内を回っていると、ふとウォーキングシューズが目に入りました。そういえば、今ウォーキング時に履いているのは、20年位前に、子供の運動会に参加するために購入したスポーツシューズです。
これからずっとウォーキングを続けていく予定なので、きちんとウォーキングシューズを購入しようと思い立ちました。
合うサイズの中で、安いものを購入しようとしていたのですが、最終的に最初に目に留まったこちらの靴にしました。
すでに何回も履いているので、少し形が崩れてしまっていますが、最初に見た時から可愛いと思っていました。
値段は7,000円以上もして悩みましたが、思い切って買って良かったと思っています。(今検索してみて軽くショックを受けています。ネット販売の方が安かった…)
やはりウォーキングのための靴なのでとても歩きやすいです。本人は可愛いと思っているので、履くと気持ちが高揚します。
中には苦笑いする人もいましたが、概ね好評です。良かった!
私にとっては、こんな小さなことで幸せな気分になれるんだと認識しました。
これからはこういう小さな幸せを一つづつ積み重ねていこうかなと思いました。
今後について
まだ60歳になっていないので、実際定年を迎えた時には、また落ち込むかもしれません。
その時は、周りの人と比べても仕方ないので、自分なりの老後をゆっくりと考えて行きたいと思っています。
「何もやりたいことないの~?」と言われたら「1人で3人の子供を育ててきたんだから、最後くらい何もしなくてもいいじゃない!」と、「還暦なのにピンク履くの??」と笑われたら「還暦だからピンク履くのよ!」と心の中で言い返したいと思います。
こんな拙い文章がどなたかのお役に立てたら嬉しいです。